円形脱毛症
円形脱毛症
・頭皮の一部が円形に急に毛が抜けた
・最初は小さかった脱毛斑(脱毛の跡)が、徐々に大きくなっている
・眉毛やまつ毛、体毛にも抜け毛が起きてきている
・以前治療して、発毛しても再発してしまっている
上記のような症状は、円形脱毛症の可能性があります。症状は段階があり、初期症状であれば、頭部に地肌が見えるところがある、脱毛箇所が円形または楕円形で周辺とくっきりとわかれて目立っているというような症状がでます。症状が進行すると、朝起きた時に枕に毛がたくさんみられたり、脱毛部周辺の毛を引っ張るとすぐに抜けてしまって、痛さも感じないというような重度の症状に発展していき、どんどん範囲と状態が悪化していきます。
福井県福井市で上記に当てはまるような方や、最近髪の毛が気になってきている方は、みねぎし皮ふ科形成外科までお気軽にご相談ください。
円形脱毛症は、基本的には円形ですが、その数や形状、範囲などで5つの種類に大別されることが多い症状です。
・単発性通常型:脱毛斑が小さい一つだけのもの。基本的には自然治癒することが多いです。
・多発性通常型:脱毛斑が複数個所に存在している状態です。
・全頭型:脱毛している範囲が頭全体に及び、長期間継続している状態です。
・汎発型:脱毛の範囲が頭だけではなく、眉毛やまつげにも派生してしまって、長期間継続している状態です。
・蛇行型:頭皮の生え際に帯状に脱毛を生じるものです。難治性と言われています。
男女差はなく全年齢層に起きうる病気です。さらに特徴としては、合併症を引き起こしている確率が高いということが挙げられます。アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、橋本病などに代表される甲状腺疾患、尋常性白斑、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスといった自己免疫疾患が合併症として発症することが知られています。
円形脱毛症の原因は不明ですが、前述したように最近では自己免疫疾患が関わっていると考えられています。自己免疫疾患とは、外部からの異物に対して免疫反応が働く通常の状況とは異なり、身体の一部、円形脱毛症でいえば毛根を誤って異物とみなして攻撃してしまうことです。その結果、毛が抜けてしまいます。特に、Tリンパ球が毛根を異物と誤認して攻撃することで円形脱毛症が発症します。家族歴やアトピー性皮膚炎の有無、ストレスや感染症、疲労などの要因が関与する可能性も指摘されていますが、明確な原因は未だ解明されておりません。
円形脱毛症の治療法は、症状の程度により異なります。軽症の場合、自然治癒することもありますが、範囲が広がるとより高度な治療が必要です。治療効果を確認するには数カ月かかる場合もあり、効果が見られない場合は別の治療法を検討する必要があります。
外用薬では、免疫を抑制するステロイドの外用や血流を促進するカルプロニウム塩化物の外用が一般的です。
内服薬としては、セファランチンやグリチルリチン、抗アレルギー薬が用いられ、重症例ではステロイドの内服薬も検討されます。
その他、局所にステロイドを注射する方法や紫外線療法、液体窒素による冷却治療も行われます。
※紫外線療法に必要な機器がないため、現在のところ紫外線療法を提供できません。
最近は難治性、広範囲の円形脱毛症に対して経口JAK阻害薬であるバリシチニブ(オルミエント🄬)が使用できるようになっています。頭部50%以上に脱毛があり、6か月間毛髪の再生が認められなかった、15歳以上の方が対象です。
円形脱毛症と似た病気として、AGAが挙げられます。ご自身がどっちなのかお悩みになる方も多いかと思いますが、大きな違いとしては、
①発症対象がそれぞれ違うこと
②症状の進行段階が違うこと
の2点が挙げられます。
AGAは男性ホルモンが大きな要因のため、成人男性に発症します。しかし、円形脱毛症は自己免疫疾患が原因と考えられるため、老若男女問わず発症する可能性があります。
また、AGAはゆっくりと時間をかけて薄毛になり、無毛になっていきますが、円形脱毛症は一気に毛が抜けるため、徐々に薄くなるという段階を通り越して、気付けないうちに無毛状態になってしまいます。
前述した通り、円形脱毛症の原因は断定ができておりませんので、効果的な予防方法というものは明言ができませんが、円形脱毛症を予防する方法としては
・食事より必要な栄養素を摂取すること
・脂質の摂りすぎを注意する
・脂質と一緒にビタミンB群の中に含まれるビタミンB2,B3、B6も摂取する
・糖質の摂りすぎを注意する
・睡眠の質や量をコントロールする
・適切な運動を定期的に行う
というようなストレスケアや頭皮に栄養素を与える方法が対策としては挙げられますが、確実に防げるわけでは無いため、ご不安な方は専門の医師の受診をおすすめいたします。
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