こんな症状は帯状疱疹の可能性があります

・皮膚に違和感やかゆみがある
・神経痛のようなピリピリした痛みがある
・小さな水ぶくれと皮膚の赤みが一緒に出てきている
・痛みが強く、眠れないほどである
・上記症状が体の左右のどちらかにだけ出る

上記のような症状は、帯状疱疹の可能性があります。初期症状であれば、ちょっとしたかゆみや、ピリッとする痛みを感じる程度です。異常を感じるものの、皮膚の症状はまだないため、この段階で帯状疱疹と診断することは難しいです。症状が進行し、患部に明らかな痛みを伴い始め、水ぶくれ、赤い発疹が出現すると帯状疱疹の診断が可能になります。なるべく早い段階で治療を始められれば、症状のピークも軽いもので済ませられますし、治癒後の神経痛が長引かずに済む可能性も上がります。お早めに専門医へ受診していただくことをおすすめいたします。

福井県福井市で帯状疱疹にお悩みの方はみねぎし皮ふ科形成外科までお気軽にご相談ください。

帯状疱疹とは

子供の頃に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると水ぼうそうが発症します。治療後にこのウイルスは脊髄から出る神経節に潜みます。通常は免疫力によってウイルスの活動が抑えられていますが、加齢やストレスで免疫力が低下すると再び活性化し、帯状疱疹を引き起こします。ウイルスが潜んでいた神経に沿って症状が出現するため、水疱や紅斑が帯状に発生します。

帯状疱疹はウイルスによる病気ですが、周囲への感染力はありません。しかし、水ぼうそうのウイルスでもあるため、ワクチン接種前の小さいお子さんには水ぼうそうとして感染する可能性があります。そのためお子さんと一緒に暮らしている方は注意が必要です。

帯状疱疹の原因

帯状疱疹は、上記のような流れで発症しますが、一言で言えば、「免疫力の低下」が原因です。加齢、病後、ストレスなどが引き金になります。帯状疱疹は、50歳以上で発症が増えていき、80歳までには3人に一人が発症すると言われています。免疫力が低下する高齢の方は、帯状疱疹の発症に注意し、疑わしい異常を感じたら受診をすることが重要です。

帯状疱疹の合併症

帯状疱疹の合併症として、発熱や頭痛などの全身症状が生じることがあります。顔に発症した場合には視力低下や難聴が起こることがあります。腹部や陰部に発症した際には腹筋の麻痺や排尿障害などの合併症が生じることもあります。これらの症状は後遺症として残ることがあるため、注意が必要です。

また帯状疱疹にかかった際の大きな問題として、皮膚症状が治癒した後も長期間痛みが続く帯状疱疹後神経痛（PHN）が挙げられます。PHNは、50歳以上では約2割の患者さんに起こる後遺症です。帯状疱疹にかかった年齢が高いほどPHNへの移行リスクが高まります。PHNは神経が傷つけられることで起きるため、帯状疱疹発症後は速やかに治療を開始し、痛みを和らげることが大切です。

帯状疱疹の治療方法

帯状疱疹が疑われた場合は、速やかに専門の医師に相談しましょう。帯状疱疹の治療では、ウイルスの増殖や痛みの抑制をなるべく早くおこなうことが重要です。皮膚の発疹や痛みだけでなく、眼や耳などの合併症がある場合には、適切な治療を行うために眼科や耳鼻科などの診療科と連携することもあります。

帯状疱疹の治療には原因である水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、痛みを抑える鎮痛薬を使用します。皮膚の症状によっては、ぬり薬が使用されることもあります。

軽度から中等度であれば通院での治療が可能ですが、痛みが強い時や皮膚症状が広範囲にわたる場合、合併症が問題になる場合には入院しての点滴治療が必要になることもあります。

皮膚症状が落ち着いても、痛みが治まらない場合は鎮痛薬の量や種類について相談しましょう。疼痛のコントロールが困難な場合にはペインクリニックを受診していただくこともあります。

帯状疱疹の予防（ワクチン接種）

帯状疱疹の予防には、ワクチンが効果的です。ワクチンは、ウイルスの病原性を弱めたり、免疫を高める成分を含んでおり、接種により免疫力が増し、病気の発症や重症化を抑えることができます。50歳以上の方が帯状疱疹ワクチン接種の対象です。100％予防できるわけではないですが、10年間で9割程度の発症を予防し、発症した場合でも症状が軽くなることが報告されています。なおワクチン接種は保険がきかず、自費診療扱いとなります。